古代の装飾品
定型から自由になりましたが、しかしやはり左右対称の原則は動きません。
いやそのために美しいのでもあります。
海底には2尾の飛魚、球形は海草でしょうか。
また頸、肩、下腹部と脚部に太い黒線を引いて区切っているのもミケネ的感覚です。
その他の様式はさておいても、この時期に閃光のように飛びでた新しい題材はのべねばなりません。
それはクレタはもとよりこれまでのミケネ世界にもみられなかった人間が陶器に登場することです。
戦士と馬とはミケネ社会の表象。
それを陶工が筆にしました。
この新奇な対象がどのように描かれたかは興味がありますが、ティリンスの陶片では馬も人もまるで紙撚細工のように表わされます。
ところがミケネではまったく異なっているのです。
戦士の壷は高さ41センチ、ミケネ出土、前12世紀のもの。
これは傑作とよんでもよいでしょう。
この品が発見されたミケネ城内の家は「戦士の壷の家」と呼ばれます。
このクラテル型の器に黒線を上下の枠として(3本が普通)両面を通して兵士の行列が続いています。